ドロップD(D A D G B E)は 6 弦だけを E から全音下げて D にし、ほかの 5 本はレギュラーのままにするチューニングです。いちばんよく使われ、いちばん試しやすい変則チューニングで、指 1 本でパワーコードが押さえられ、低い D も鳴らせます。
ドロップDチューニングとは?
レギュラーの E A D G B E から、いちばん太い 6 弦を 2 半音下げると D A D G B E になります。低音側の 3 本が D–A–D(ルート・5 度・オクターブ)になるので、同じフレットを指 1 本でセーハするだけでパワーコードになり、開放弦なら D5 です。
変わるのは 1 本だけなので、1〜5 弦のコードやスケールの形はそのまま使えます。6 弦の音が全音低くなっていることだけ覚えておきましょう(もとの開放 E は 6 弦 2 フレット)。
ドロップDチューニング の各弦の音名と周波数
| 弦 | レギュラー | ドロップD | 変化 | 張力 |
|---|---|---|---|---|
| 6 弦 | E2 82.41 | D2 73.42 Hz | 全音(2 半音)下げる | -21% |
| 5 弦 | A2 110.00 | A2 110.00 Hz | そのまま | — |
| 4 弦 | D3 146.83 | D3 146.83 Hz | そのまま | — |
| 3 弦 | G3 196.00 | G3 196.00 Hz | そのまま | — |
| 2 弦 | B3 246.94 | B3 246.94 Hz | そのまま | — |
| 1 弦 | E4 329.63 | E4 329.63 Hz | そのまま | — |
レギュラーからドロップDチューニングへの合わせ方
- まずチューナーで 6 本すべてをレギュラーチューニング E A D G B E(A4 = 440 Hz)に合わせます。
- 6 弦:E2 → D2、全音(2 半音)下げる。目標 73.42 Hz。
- 耳で確認:6 弦 12 フレットのハーモニクス(D3)が 4 弦開放(D3)とぴったり同じ音になればOK。6 弦開放が 4 弦開放のちょうど 1 オクターブ下でも確認できます。
- 最後に低音弦から高音弦まで全弦を確認します。ネックにかかる力が変わると、合わせた弦もわずかにずれます。
よく使われる音楽
オルタナティブロック、グランジ、ニューメタル、ポストハードコアなどの重いジャンルで定番です。低音弦で指 1 本のパワーコードを平行移動させるだけで、分厚いリフを楽に弾けます。
アコースティックやソロギターでもよく使われます。D メジャー/D マイナーのフォークやフィンガースタイルでは低い D を持続低音にでき、クラシックギターの曲でも「6 弦を D に」という指定がよくあります。
弦の張力と弾き心地
6 弦を全音下げると張力は約 21% 下がり、ゆるく感じて強く弾くとビビりやすくなります。一般的な 10–46、11–52 のセットで問題ありませんが、ドロップD が中心で右手が強い人は 6 弦だけ少し太く(.048–.050)すると安定します。
ドロップD とレギュラーの行き来ではネックへの負担はほとんど変わらないので、トラスロッド調整は通常不要です。6 弦のオクターブピッチがわずかにずれることがあるので、12 フレットで確認しましょう。
レギュラーチューニングへの戻し方
- 6 弦:D2 → E2、全音(2 半音)上げる(82.41 Hz)。
- 音を上げると弦の張力が増えます。目標より少し低いところから、ゆっくり上げて合わせると、弦が切れにくく、チューニングも早く安定します。
よくある質問
ドロップD にするには弦を替える必要がありますか?
いいえ。1 本を全音下げるだけなので、普通の 10–46 や 11–52 で大丈夫です。6 弦がゆるすぎてビビる場合だけ、6 弦を 1 段太くすることを検討してください。
ドロップD でパワーコードはどう押さえますか?
6・5・4 弦の同じフレットを指 1 本でセーハします。開放で D5、2 フレットで E5、5 フレットで G5、7 フレットで A5 です。6 弦上のルートの位置はレギュラーより 2 フレット上になります。
ドロップD と D スタンダード(全弦全音下げ)の違いは?
ドロップD は 6 弦だけを下げ(D A D G B E)、D スタンダードは 6 本すべてを全音下げます(D G C F A D)。後者は全体が低くなりますが、コードの形はレギュラーと同じです。このサイトのギターチューナーではどちらも選べます。